著作紹介

あなたのマンション、大規模修繕の「闇」に飲まれていませんか？

積もり積もった修繕積立金。いざ大規模修繕となると、提示される巨額の見積もり。あなたのマンションの見積額は、本当に適正価格ですか？

外壁タイルの浮き率が標準目安を大幅に超えている、見積金額が市場相場より大幅に高い、複数の業者から見積もりを取っても金額差がわずか、最終的な工事金額が修繕積立金残高とほぼ同額 — もし、あなたのマンションでこのような状況が見られたら、注意が必要です。不透明な「追加工事」、曖昧な契約条項、管理会社と業者の「協力関係」という名の癒着… その裏には、あなたのマンションの資産価値を蝕み、住民に不利益をもたらす「闇の方程式」が存在するかもしれません。あなたのマンションを守る知識を、物語で学び、解説で実践へ。

本書は、実際に起きた談合事例を基にした迫真の「物語」（事例編）と、理事・住民が知っておくべき専門知識を深掘りする「解説編」で構成されています。

「素人だから分からない」は許されない！？マンション理事の「善管注意義務」

物語は、突然マンションの理事長になった元財務部長の小川から始まります。彼は、「素人だから分からない」と言って判断を放棄することが、法的に許されない理事の「善管注意義務」に反することを知ります。マンションの資産を守るのは、最終的に私たち自身である。その使命感から、小川は「闇の方程式」に立ち向かうことを決意します。これが「闇の方程式」を打ち破る「知識の方程式」だ！

本書は、翠光苑管理組合が「闇の方程式」の構造を解き明かし、それに対抗するための「知識の方程式」を構築していく手に汗握る物語と、具体的な行動指針を解説する実践書です。彼らは以下の強力な「武器」を手にしました。

客観的データによる武装: 管理会社が推薦する業者に依存せず、独立した第三者機関に建物診断を依頼します。打診、赤外線、目視など複数の客観的な調査手法を併用し、データを「見える化」することで、真に必要な工事範囲と費用を見抜きます。
「防御的契約書」の構築: 「予期せぬ劣化」の厳密な定義、「施工に起因する」の曖昧さを排除し目的達成を基準とする「結果志向保証」、管理組合と施工会社の権利と義務が対等となる「対称性」の回復、文書間の優先順位明確化。民法（請負契約の定義、情報提供義務、契約不適合責任）を味方につける条項も盛り込み、管理組合を守る契約を自ら作り上げます。
徹底した透明性の確保と住民連携: 工事の進捗、課題、意思決定プロセス、費用削減効果などを「翠光通信」やウェブサイト、説明会で透明性高く住民に報告します。マンション内にいる様々な専門知識を持つ住民を発掘し、プロジェクトの推進力とします。また、住民の「無関心」が談合グループに狙われる一因となることを理解し、積極的に巻き込みます。
知識の伝承と発展: プロジェクトの記録集、契約マニュアル、デジタルアーカイブ、次期理事向けの研修を通じて、得られた知識を体系的に引き継ぎ、知識が陳腐化しないよう定期的な更新システムも構築します。知識の共有は、近隣マンションとの連携ネットワークへ発展します。

あなたのマンションにも、そして業界全体にも変革を！

翠光苑の取り組みは、単に一マンションの問題解決に留まりませんでした。「防御的契約書」の知恵や知識伝承のノウハウは、近隣マンションとの連携ネットワークへと発展し、やがて業界全体の変革を促す小さくとも確実な一歩となります。知識共有のためのデジタルアーカイブや、IT技術を活用したシステム構築など、最新技術の活用にも視野を広げています。この本で、あなたも「知識の方程式」を手に入れましょう！

マンション大規模修繕に潜む「闇の方程式」に対抗するための具体的知識と実践的な行動指針が、物語形式と解説で分かりやすくまとめられています。以下のような知識が手に入ります。