【法的根拠】 航空法第2条(定義)、航空法第49条(建造物等の設置の制限)等
【解説】 制限表面とは、航空機が安全に離着陸するために、空港やヘリポートの周辺空間に設定される「目に見えない3Dのバリア(架空の面)」の総称である。
航空法第49条において、「この制限表面の上に出る高さの建造物、植物その他の物件を設置し、植栽し、又は留置してはならない」と厳格に定められており、ドローンの飛行もこの面を突き抜けることは原則として違法(特定飛行の対象、あるいは完全な飛行禁止)となる。
制限表面は、以下の基本となる3つの面と、主要空港に追加される3つの面で構成され、これらが組み合わさることで空港周辺に巨大な「すり鉢状のドーム」を形成している。
目次
■ 基本の制限表面(すべての空港等に設定)

1. 進入表面(しんにゅうひょうめん)
- 目的: 航空機が滑走路に向かって最終的な着陸態勢に入る、または離陸して上昇していくための安全な「通り道」を確保する。
- 法的定義とイメージ: 着陸帯(滑走路)の短い辺に接続し、外側に向かって上方に伸びていく平面(勾配は50分の1など)。滑走路の両端から外側に向かって、細長く伸びていく「緩やかな上り坂」をイメージするとよい。滑走路から遠ざかるにつれて、ドローンが合法的に飛べる限界高度も徐々に上がっていく。
2. 転移表面(てんいひょうめん)
- 目的: 着陸をやり直す場合(ゴーアラウンド)など、航空機が滑走路の側面方向へ緊急回避する際の安全を確保する。
- 法的定義とイメージ: 進入表面の斜辺および着陸帯の長い辺から、外側上方へ向かって立ち上がる平面(勾配は7分の1など)。滑走路の横側から外側に向かって立ち上がる、すり鉢の「急斜面の壁」である。進入表面の上り坂に比べてはるかに急角度で立ち上がっており、滑走路の真横からドローンを近づけようとすると、この転移表面の壁に真っ先にぶつかることになる。
3. 水平表面(すいへいひょうめん)
- 目的: 離着陸の順番待ちをする航空機が、空港の周辺を低空で安全に旋回飛行(待機)するための空間を確保する。
- 法的定義とイメージ: 空港の標点(中心点)の垂直上方45mの高さにある水平な面。中心点から半径最大4000mまでの円で描かれる「巨大な円盤状の天井」である。この円盤の下(高度45m未満)であれば、進入表面や転移表面に引っかからない限り、原則としてドローンを飛ばす余地がある。
■ 特別な制限表面(東京、成田、関西などの主要空港等に追加設定)
大型で高速な航空機が頻繁に離着陸する主要空港においては、より広範囲の安全を確保するため、上記の基本表面の外側にさらに以下の3つのバリアが追加される。
4. 延長進入表面(えんちょうしんにゅうひょうめん)
- 進入表面のさらに外側(最大で滑走路から15km先まで)に伸びる、精密進入を行う航空機のための安全経路。
5. 円錐表面(えんすいひょうめん)
- 水平表面の外縁から、さらに外側上方に向かってすり鉢状に広がる面(半径最大16,500mまで)。大型機が大きく旋回するための空間を守る。
6. 外側水平表面(がいそくすいへいひょうめん)
- 円錐表面の上縁からさらに外側に広がる、高さ最大295mの広大な水平の天井(半径最大24,000mまで)。

コメント