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  4. 第3章: 農地の定義と分類

第3章: 農地の定義と分類

2024 8/10
売買 法律 行政書士
2024年8月10日

農地転用許可手続きを理解するためには、まず農地そのものの定義や分類について正確に理解することが重要です。本章では、農地の法的定義、農地の区分、農振農用地と農用地区域、そして採草放牧地の取り扱いについて詳しく解説します。

3.1 農地の法的定義

農地法における農地の定義は、農地法第2条に規定されています。具体的には、以下のように定義されています:

「この法律において『農地』とは、耕作の目的に供される土地をいう。」

この定義に基づき、農地とは基本的に「耕作の目的で利用される土地」を指します。ここで重要なのは、実際に耕作が行われているかどうかではなく、「耕作の目的に供される」という点です。したがって、現時点で耕作が行われていない土地であっても、耕作の目的で利用される予定がある場合は農地に該当します。

3.1.1 耕作の目的

「耕作の目的」とは、農作物の栽培や牧草の生産など、農業生産活動を行うことを指します。具体的には、以下のような活動が含まれます:

  • 稲作、畑作、果樹栽培
  • 野菜、花卉(かき)、薬草の栽培
  • 牧草の生産
  • 養蜂、養蚕

これらの活動が行われる土地は、農地法上の農地とみなされます。

3.1.2 農地と非農地の区別

農地と非農地の区別は、農地法の適用において重要なポイントです。例えば、以下のような土地は農地に該当しません:

  • 住宅地、商業地、工業地
  • 公園、道路、河川などの公共用地
  • 山林、原野

ただし、これらの土地が一時的に農業利用される場合や、農地としての利用が予定されている場合には、農地とみなされることがあります。

3.2 農地の区分

農地は、その立地条件や利用状況に応じていくつかの区分に分類されます。農地の区分は、農地転用許可の判断において重要な要素となります。以下に、主な農地の区分について解説します。

3.2.1 農用地区域内農地

農用地区域内農地とは、農業振興地域の整備に関する法律(農振法)に基づいて指定された農用地区域内にある農地を指します。農用地区域は、農業生産の基盤として特に重要な地域であり、原則として農地以外の用途への転用が禁止されています。

農用地区域内農地の特徴:

  • 農業振興地域整備計画に基づいて指定
  • 原則として農地転用が禁止
  • 農業生産基盤の保全が重視される

3.2.2 甲種農地

甲種農地は、農業生産力が高く、農業上の利用が特に重要とされる農地を指します。具体的には、以下のような条件を満たす農地が甲種農地に該当します:

  • 高い生産性を持つ農地
  • 集団的に存在する農地
  • 農業用水や農業道路などの整備が行き届いている農地

甲種農地の特徴:

  • 高い農業生産力
  • 集団的な農業利用が行われている
  • 転用が厳しく制限される

3.2.3 第1種農地

第1種農地は、農業上の利用が重要であり、かつ転用が特に制限されるべき農地を指します。具体的には、以下のような条件を満たす農地が第1種農地に該当します:

  • 農業生産力が高い
  • 農業用水や農業道路などの整備が行き届いている
  • 市街化の傾向が少ない地域に所在する

第1種農地の特徴:

  • 高い農業生産力
  • 転用が厳しく制限される
  • 市街化の傾向が少ない

3.2.4 第2種農地

第2種農地は、農業上の利用が重要であるが、一定の条件下で転用が認められる農地を指します。具体的には、以下のような条件を満たす農地が第2種農地に該当します:

  • 農業生産力が中程度
  • 農業用水や農業道路などの整備が一部行われている
  • 市街化の傾向が見られる地域に所在する

第2種農地の特徴:

  • 中程度の農業生産力
  • 一定の条件下で転用が認められる
  • 市街化の傾向が見られる

3.2.5 第3種農地

第3種農地は、農業上の利用が比較的低く、転用が比較的容易に認められる農地を指します。具体的には、以下のような条件を満たす農地が第3種農地に該当します:

  • 農業生産力が低い
  • 農業用水や農業道路などの整備が不十分
  • 市街化の傾向が強い地域に所在する

第3種農地の特徴:

  • 低い農業生産力
  • 転用が比較的容易に認められる
  • 市街化の傾向が強い

3.3 農振農用地と農用地区域

農業振興地域の整備に関する法律(農振法)に基づき、農用地区域が設定されます。農用地区域は、農業生産基盤の保全と農業振興を目的として指定される地域です。

3.3.1 農用地区域の設定

農用地区域は、農業振興地域整備計画に基づいて市町村が設定します。農用地区域の設定は、以下の手順で行われます:

  1. 農業振興地域整備計画の策定
  • 市町村が農業振興地域整備計画を策定し、農用地区域を設定します。
  • 計画には、農業生産基盤の整備や保全、農業振興策が含まれます。
  1. 農用地区域の指定
  • 農業委員会の意見を聴取し、農用地区域を指定します。
  • 農用地区域内の農地は、原則として農地以外の用途への転用が禁止されます。

3.3.2 農用地区域内農地の取り扱い

農用地区域内農地は、農業生産基盤の保全が重視されるため、以下のような取り扱いが行われます:

  1. 転用の原則禁止
  • 農用地区域内農地は、原則として農地以外の用途への転用が禁止されます。
  • 転用が必要な場合は、農用地区域からの除外手続きが必要です。
  1. 農業振興策の適用
  • 農用地区域内農地には、農業振興策が適用されます。
  • 農業用水や農業道路の整備、農業技術の普及などが行われます。

3.4 採草放牧地の取り扱い

採草放牧地は、牧草の生産や家畜の放牧に利用される土地を指します。農地法においても、採草放牧地は農地として取り扱われます。

3.4.1 採草放牧地の定義

採草放牧地は、以下のように定義されます:

「採草地とは、牧草の生産を目的とする土地をいう。放牧地とは、家畜の放牧を目的とする土地をいう。」

この定義に基づき、採草地や放牧地は農地法上の農地に該当します。

3.4.2 採草放牧地の転用

採草放牧地の転用についても、農地法の規定が適用されます。具体的には、以下のような取り扱いが行われます:

  1. 転用許可の必要性
  • 採草放牧地を農地以外の用途に転用する場合、農地転用許可が必要です。
  • 許可基準や手続きは、一般の農地と同様に適用されます。
  1. 転用許可基準
  • 採草放牧地の転用許可基準も、一般の農地と同様に立地基準と一般基準が適用されます。
  • ただし、採草放牧地の特性に応じた判断が行われることがあります。

結論

本章では、農地の定義と分類について詳細に解説しました。農地法における農地の法的定義、農地の区分、農振農用地と農用地区域、そして採草放牧地の取り扱いについて理解を深めることができました。

農地転用許可手続きを行う際には、これらの知識が基礎となります。農地の定義や分類を正確に理解し、適切な手続きを行うことで、農地転用許可の取得が円滑に進むでしょう。行政書士としては、依頼者に対して正確な情報を提供し、適切なアドバイスを行うことが求められます。本章の内容が、そのための基礎的な知識と視点を提供する一助となれば幸いです。

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小川洋史lOGAWA Hirofumi
代表取締役
北海道岩見沢市生まれ。
資格:宅地建物取引士、行政書士試験合格(未登録)、賃貸不動産経営管理士、競売不動産取扱主任者、日商簿記1級 FP2,TOEIC895等。
対応言語:日本語(JP), 英語(EN), 伊語(IT)
学歴:札幌西高、東北大、東工大
学位:工学修士、技術経営修士
札幌、仙台、東京、ミラノ(伊)、ボローニア(伊)、ハワイ、バンコク、沖縄など世界各地で田舎の木造からタワマンまで世界中の不動産を経験。主に不動産と法律について発信。
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